焼田 裕貴
YUKI YAKITA
寒暖差激しく体調管理が難しい今日この頃。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回の記事は昨年キュリーにて制作を担当した「山梨県 ワーケーションPR動画」の制作にまつわるお話になります。使用機材や撮影方法、編集の過程やキュリーならではのこだわりなどを余すことなくお伝えできればと思っております。
今回の撮影は株式会社JTB様が事前に組んだワーケーションのモデルコースツアーに同行し、参加者の方々が実際にワーケーションを行なっている様子をリアルタイムで撮影するという形で行われました。
キュリーからは3名がツアーに同行し、それぞれ「メインカメラマン兼ディレクター」「サブカメラマン」「撮影アシスタント」という役割分担の上撮影を進めてまいりました。
3名という限られた人数で尚且つ電車/バスなどの公共交通機関を使用した移動でしたので、撮影機材もなるべくコンパクトにする必要がありました。実際に使用した機材は以下になります。
カメラ
・SONY α7SⅢ (メインカメラ)
・SONY α7Ⅲ (サブカメラ)
・SONY α7C (スチル用 / 予備)
レンズ
・TAMRON 17-28mm F2.8
・TAMRON 35-150mm F2-2.8
・SONY FE24-105mm F4 G
・CANON EF 50mmF1.8 STM
ドローン
・DJI AIR 2S
ジンバル/スタビライザー
・DJI RONIN SC2
レンズフィルター
・NiSi 可変NDフィルター
・K&F 可変NDフィルター
・Kenko Blackmist No.5
その他
・三脚、バッテリー類、SDカード、モニター等々
以上を各々のリュックやキャリーにて運搬しました。宿泊のための着替え等も考慮すると3人で持てるちょうどいい量だったのではないかと思います。
前項では使用機材をご紹介いたしましたが、こちらではこれらの機材を現場でどのように運用していたかをお話しします。※一部マニアックなお話もありますので、軽く読み飛ばしていただいても大丈夫です。
まずメインカメラはSONYのα7SⅢです。キュリーのムービー撮影のほとんどをα7SⅢにて行なっております。α7SⅢはDJI RONIN SC2というジンバルに載せて撮影しています。
ジンバルとは、カメラの撮影には切っても切り離せない「手ぶれ」を補正するための機械です。ジンバルを使用することによりブレのない、まるで映画のような映像を撮影することが可能になります。
ジンバルには耐荷重があり、重量のあるレンズを装着することはできません。そのためα7SⅢにはなるべく軽く、かつ寄りでの撮影も可能なレンズをということでTAMRON 17-28mmF2.8をメインで装着しておりました。こちらのレンズの魅力はインナーズームという、広角端の17mmから望遠端の28mmに望遠してもレンズの筒が伸びず、重量バランスが変わらないという点にあります。これにより都度ジンバルのバランス調整をする必要がなくなり、現場でスムーズな撮影を執り行うことができます。
広角レンズならではの、山梨の豊かな自然風景や人物の動きを目一杯取り入れたダイナミックな画を撮影しております。
続いてサブカメラのα7Ⅲについて。こちらにはTAMRON 35-150mm F2-2.8を装着して撮影しました。
ジンバルに装着しているレンズが広角レンズなので、主に望遠域での撮影が必要な際にこちらを使用しております。こちらは三脚に載せての撮影で、雄大な富士山を迫力満点に切り取ったり、参加者の皆様の表情を存分に映すのに最適なレンズでした。
CANON EF50mm F1.8のレンズはF値の低い、明るく撮影できるレンズなので照明の暗い室内やバーなどでの撮影に使用しました。
レンズフィルターについて
使用機材に記載した「レンズフィルター」についてお話しします。
・可変NDフィルター
NDフィルターとは、レンズから入る光の量を減らすためのフィルターです。カメラで動画を撮影する際にはシャッタースピードやF値といった映像の明るさ(露出)を決定づける設定を大きく動かすことができません。※詳細はまた別の記事で記載します!そこで必要になるのがこのNDフィルターです。NDフィルターは濃度によって減らす光の量が異なり、状況に応じてさまざまなNDフィルターを使い分ける必要があり、取り付け・取り外しの手間もかかります。しかし、今回使用した「可変NDフィルター」はフィルター1枚で光の量を自由に操ることができるとても便利なもので、動画の撮影には欠かせないアイテムとなっております。
・Black Mistフィルター
今回使用したすべてのレンズに「Black Mistフィルター」を装着しています。Black Mistフィルターとはレンズに入る光を拡散させるためのフィルターで、映像のコントラストを抑えて柔らかい映像表現を可能にするフィルターです。Black Mistを使用することによりシネマティックでいわゆる “エモい” 映像を撮影することができます。
↑ Black Mistフィルターによって拡散された光。ふわっとした印象があります。
↑ 水面に反射する光もBlack Mistフィルターを使用することでまるで映画のワンシーンのように映すことができます。
ドローン撮影
続いてドローンによる空撮について。こちらはDJI AIR 2Sを使用しております。
キュリーでは初の試みとなる空撮でしたが、現地の方々や自治体の皆様のご理解とご協力を得て秋の山梨の雄大な自然を撮影することに成功しました。
※ 現在ドローンの飛行には政府への機体の登録が必要です。キュリーではこちらの登録も完了しておりますので、土地の管理者の許可を得た上でドローン撮影を行うことができます。
さて、ここまで機材や撮影に関連するお話をしてまいりましたが、Part2では編集にまつわるお話をしていこうと思います。データの選別からカットの編集、BGMのセレクトやカラーグレーディングなど、編集にもさまざまな過程があります。次回の更新をお楽しみにお待ちください!
お読みいただきありがとうございました!